医療施設のこれからを変えていくために
「遊具」ができること とは

−−そもそも岡部を知ったきっかけ、発注を決めた理由はなんでしたか?

鈴木:内装業者からの紹介です。
新館は4m50cmまで天井があげられることがわかったので、受付含めたスペースで子どもと一緒にイベントができるような設計をお願いしていました。天井高のある空間を活かして何かしたいと相談したところ、天井釣りのネット遊具が面白いのではないかということになり、岡部さんを教えてもらいました。
最初からネット遊具を希望していて、それなら岡部さんが良いということだったので、特に他を検討することはなかったですね。岡部さんから体を使って遊べるネット遊具を提案してもらえたので、お願いすることに決めました。

−−設計や制作・設置に関してのやりとりは、どうでしたか?

鈴木:当初は、天井にネットを吊るした遊具を希望していて、そのように設計してもらったのですが、テナント施設側から許可がおりなかったんです。
それで、代替案として自立した遊具の設計を再度お願いしたところ、自立するという条件の上で迫力もある、魅力的な遊具を提案していただけました。

中村:こんな大きな遊具で自立している、というのがすごいですよね。大きいだけでなく、ネットやボルダリング、タワー、おままごとのキッチンなど、いろんな遊びの要素がぎゅっと詰まっています。ボルダリングをあがってネットを通って反対のタワーから降りてくる。その逆もあって、ぐるぐる回遊して遊べるのが楽しいですね。

−−遊具を設置してみて感じたこと、医療施設として今後の遊具メーカーに期待することがあればお教えください。

中村:まず感じるのは、パッと見たわかり易さ。楽しそうな場所ということを伝え、興味を持ってもらうのには最適でした。
私たちの理念を患者様に伝えるには、まず知っていただかなくてはいけない。自分たちにとって大型遊具は、歯医者さんは怖くない、楽しい場所ということを伝える、その入り口になってくれています。

鈴木:今後、患者様に選ばれる医療施設になるには、理念やコンセプトが非常に重要になってくると思います。
直接的な利益を生み出さない設備・施設は、一見、無駄に思えるかも知れません。でも、そこに込められているのが患者様を思う気持ちであれば、おのずと届いていくものだと思います。
特に遊具は、遊ぶ子どもたちはもちろん、周りの大人も笑顔にしてくれる、心が躍る楽しさがあります。
怖いというネガティブなイメージを変えてくれる遊具の価値と役割。
岡部さんのようなメーカーに、遊具によって医療施設にもたらされる共益性や可能性を、これからもっと拡げていっていただきたいなと思っています。