お客様の声

Voice.02 石川県羽咋市

一般社団法人つながり様

子どもに体験させる「遊び」について思うこと。

岡部遊具お客様の声 つながり様

スペシャル対談第2弾にご登場いただくのは、遊具を施工させていただいた『カフェ夢生民(むうみん)』を運営する、石川県羽咋市の一般社団法人つながり様です。「つながり」様は、障がいのあるなしに関わらず「人」と「人」が楽しくつながる場を作りたいという思いで、コミュニティカフェ「夢生民(むうみん)を2012年4月に開設。5周年となる今年、「なにかおもしろいものをつくりたい」という想いから、ネット遊具を採用いただきました。岡部のネット遊具との出会いから、完成後の感想、はたまた岡部へのご提案など、様々なお話が飛び出しました。

おもしろいものをつくりたいという気持ちが、ネット遊具との出会いだった。

──施設の増築にあわせて何かおもしろいものを、と思われていたそうですね。それはなぜですか?

菊澤:私たちが運営している「カフェ夢生民(むうみん)」は、障がいがある人もない人も、楽しく生きていく、そういう考えから始まった施設です。楽しくないと何やってもおもしろくないじゃないですか。どうせやるなら楽しい方が絶対にいい!増築スペースは気持ちのいい自然素材を使ってもらうことに決めていたので、アクセントとして「なにかおもしろいものをつくりたい!」と考えていました。たとえば、ハンモックとか(笑)。

山崎:設計士さんの方から、新しくできる吹き抜け部分にこんなものはどうですか?とネット遊具を教えてもらったんですよね。じゃあハンモックと遊具2つの候補を見に行ってみようということになって、何人かで岡部さんに見学に行きました。
守山&橋本:え!ハンモックを検討されていたんですか!?

菊澤&山﨑:実はそうだったの(笑)

「わあ!すごい!」実際に体験してみて、おもしろさに納得。

──はじめて、ネット遊具をご覧になったときの印象はいかがでしたか?

山﨑:滑川児童館で実物を見ることができたんですけど、「わあ、わあ!すご~い」という感じでした(笑)。実際に寝っ転がってみたら、身体が宙に浮いているみたいで、さらに「すごい!」と思いました。

菊澤:こんなに楽しい遊具ができたら、どんなにみんな喜ぶだろうと思うとうれしかったですね。帰りの車の中でもみんな興奮していました。着くまでにはもうこれしかない!と決めていましたね。

──不安定な動きをする遊具、ということに対しての不安はありませんでしたか?

菊澤:それはなかったですね。多くの遊具を作っている会社さんだけに、ネット遊具にも子供の遊びについてこまかい気遣いがなされていて、不安はありませんでした。楽しみ方だけでなく、気を付けなくてはいけないポイントも丁寧に教えていただきましたしね。

守山:始めて遊ぶときは怖がっても、慣れてくると無茶をする傾向があるんですよ。そういう時は注意してあげるということ。こども達が楽しく安全に遊べるよう必ず大人達が見守ってあげるということをお願いしました。

たずさわる人の想いがつながり、思いのほか早く完成。

──制作するにあたっては、どんな要望を出したんですか?

菊澤:最初は吹き抜けの一部分だけにネット遊具をお願いしよう思っていたんですが、理事やスタッフに相談したら、吹き抜け全部に張った方がいいという結論になったので、そのような設計でとお願いしたのと、納期ですね。もともと4/1が5周年だったので、そこには絶対間に合わせてくださいと、お願いしました。

守山:初めてお会いしたのは1月。そこから設計プランを起こして、ネット遊具と壁のボルダリングを採用いただき、2月末にはできあがりましたね。

──約2か月ですか!それはかなりタイトだったのでは?

橋本:はい、実際そうでしたね。壁のボルダリング部分を先に進め、その間に時間のかかるネット遊具の金型の製作を急がせました。ネット遊具は金型がないと張れないので、これが仕上がる時期が鍵でしたが、全てうまくいきました。

菊澤:当初はギリギリになるかもって言われていたんですけどね。どうしてもという、こちらの熱意をよく汲み取ってくださったと思います。カフェで出している美味しいランチが効いたのかも、なんて(笑)

いよいよ完成披露。果たしてその反応は?

──完成したネット遊具をご覧になって、皆さん、どのような反応でしたか?

菊澤:子供たちはひと目見たら、うきうきワクワクするんだろうなって思っていたんだけど、なんていうか、息をのむっていう感じで驚いていましたね。見たことがないから、一瞬「えー?なにこれ?」って感じで固まっていました(笑)。

山﨑:そうそう。もっと喜ぶかと思ったら、驚いたっていう方が先でしたね。でも、すぐにみんな遊び始めましたけどね。

最初は足元が見えているのが怖いっていう子がいたので、毛布を敷いていたんですけど、1回から2回遊んで慣れたら、みんな「わ~っ」と自由に遊び始めました。今は怖がっている子は全然いないですね。

──ネット遊具が来てから、お子さんたちの遊びに変化はありましたか?

山﨑:断然、上にいることが多くなりましたね。私たちが思いつかないような遊び方を編み出したりして。
例えば、ボールプールのボールを網目から落としたりとか……。突然上からボールが降ってきた時は、びっくりしましたよ。すぐボールの大きさは変えましたけどね(笑)。他には、お気に入りの柔らかいぬいぐるみを持って行ってコロ~ンと一緒に寝っ転がったり、絵本を読んだりする子もいれば、その辺を走り回る子もいますし、それぞれ自分で色々な遊び方を考えだすので、見ていておもしろいですねえ。

──親御さんたちの反応はどうでしたか?

山﨑:第一声はやっぱり「わ~♪、すご~い」という感じでしたね。
そのあとは「私(乗っても)大丈夫かな?」って(笑)。
この遊具は800キロまで耐えられるので、「80キロの人が10人乗っても大丈夫だから、大丈夫大丈夫!」とお伝えしたら乗る方も多かったです。

菊澤:初めてご覧になる方はみなさん「こんなの見たことない」って驚かれますね。
案外ご自分でも乗ってみる親御さんも多いですし。子供だけじゃなく大人も惹きつけられるようですね。

楽しさを共有しながら、必要な経験をしていく

──実際に設置してから、数か月たちましたが、障害を持つお子さんにとって、このような遊具で遊んだり、体を動かしたりすることは何かしら良い影響があると思いますか?

菊澤:障害を持つお子さんって、身体のバランスが悪いことが多いんですね。公園に連れていっても、普通登れそうなところが登れないとか……。ネット遊具は、そういう子が日々楽しく遊ぶとか、立つバランスなどが育まれるなあと思いました。特に訓練するということではなく、遊びの中から養われるというか。

山﨑:ネット遊具の上を歩いてみればわかるんですけど、不安定なだけにロープをつかんだり、踏ん張ったりと身体を動かすために色々なことをしなくちゃいけない、その動きが自然と身につく感じですよね。足の裏だけじゃなく、身体全体のバランス感覚を刺激してくれると思います。

守山:子供の遊びの価値のひとつとして、楽しさを共有することが挙げられるんですが、みんなで一緒に遊べるネット遊具はまさにその点を実現しています。また、のぼる、とぶ、ねころがる、ぶらさがるなど、自由自在な遊び方ができるので、創造力を引き出したり、体力差があるお子さん同士でも遊べるので協調性も育まれます。

自由に遊ばせるには、大きな視点での見守りが必要

──遊ばせる時に、注意しなければならない点はありますか?

橋本:遊具全般に言えることですが、作っているのは大人だけど、使うのは子供ですよね。障害を持つ持たないにかかわらず、子供は何をするかわからないということを踏まえて、遊びと危険の境目を見極められる大人がフォローすることが必要ですね。

山﨑:運動神経ある子って、柱を登って上に行こうとしちゃうんですよ。そのときにやっちゃだめ、と強制するんではなくて、危ないことなんだよ、って教えてあげることが大事だと思います。やみくもに行動するんじゃなくて、ちゃんと考える事が大事なんだよ、そうじゃないと遊べなくなっちゃうよというのを教えてあげないといけないですね。

菊澤:そもそも、何のために「遊び」が必要なのか、ということですよね。社会の中で生きていくために必要な経験をさせるためなんですよ。
実際には、遊具で遊ぶだけでなく、日常の動作一つ一つの中から経験は生まれるんです。たとえば、ちょっとつまづいたり転んだりすることで、段差は危ないんだとか、ちゃんと見て歩こうと気づいくじゃないですか。
でもね、今、そういうことを学ぶ機会が子供たちの中から本当に消えていっているんですね。どこで転んでも痛くないようなグラウンドとか。

山﨑:ちっちゃいケガって子供の時に本当に大事な経験なんですよ。「包丁いじったらちょっと指を切っちゃった」みたいな、命にかかわらないような。そういう経験の積み重ねから、様々なことを学ぶはずなんだけど、そこを守ろうとしちゃう。学校の教材を見ても何も失敗しないように出来上がっていたりとか……。
ちっちゃいケガや危険を経験しないと、次起こる危険が本当に大きな危険になりかねない。だから、ちっちゃいつまづきや喧嘩だったりとか、すごく大事だと思うんです。ちっちゃい時にやっていれば、どれだけそれが痛いことなのかってわかるから、大きくなって本当に大きな喧嘩はしないし。

菊澤:男の子の喧嘩って取っ組み合いするんですよ。でもほうっておくんです。そうすると優劣が自然とできるんですよ。体が大きい子が勝つんですよ。頃合いを見て「もういいでしょ、やめようよ」っていうんです。そういうことをする過程というのが男の子には大切なんです。そうやって育つんです。最近は、周りが守りすぎて、男のコが男になれないような社会だなって思うんですよ。女の子の方は複雑だから難しいですけどね(笑)
だから、こういった遊具は、そういう想いを受け止められる大人がいる場所につけないと生きないなあって思いますね。 危険があるからおもしろいんであって、危険丸ごと楽しめる、そういうおおらかさも必要だと思います。鉛筆ひとつとってみても、使い方を間違えたら刺す凶器にもなるし、正しい使い方をまわりにいる大人や関わる人が教えないと。

守山:そうですね。子供のうちに必要な経験をさせながら、協調性や危険に対して学ぶということは大切な経験だと思います。楽しさの中で自分を守る術を学ぶというか。私たち遊具メーカーは、「遊び」の心髄はしっかり残しつつ、安全性にも配慮された遊具を作ることで、豊かな社会を育むことに貢献できればと思います。

「見る」と「寝る」は大きく違う。だからこそ、多くの人に体験してもらいたい

──遊びを支える企業として、今後岡部に期待されていることがありましたら、お教えください。

菊澤:最初岡部さんの会社に行ったときは、ちょっとびっくりしたんですよ。入口に入ってもネット遊具はないし、色々なポスターなんか貼ってあるけど、普通の土建屋さん?みたいな雰囲気で、本当にこんなおもしろいものをつくる会社なのかなあ、と思っちゃいました。
ネット遊具自体も実際の見本はなくて、今までに作られた事例写真を見せていただいたんですよね。
で、実際に見られる一番近い場所が滑川児童館だったんです。というところから、ぜひ今後は、ショールームを作ってくださいよ!やっぱり寝転がって体験しないと、この感覚はなかなか伝わらないですよ! だから、ぜひ体験できるショールームを作ることを提案します(笑)

橋本:ショールームは、今すぐはちょっと……。

一同爆笑

守山:確かにそうですね。いずれ、本社でもご覧いただけるようにしたいと、私たちも思っています。
その代わりというわけではありませんが、電話やメールでお問合せいただいたら、できるだけ素早く対応するようにしています。スピードは速いですよ!最近はホームページをご覧いただいて、ご連絡をいただくことが増えてきたので、実際どんな使用感かなど、お客様が気になる部分をブログで積極的に発信していくことにしています!そちらもご覧いただきたいですね。

大人も楽しめるネット遊具だからこその新提案

菊澤:そうだ、岡部さんにもうひとつ提案したいことがあります!
それは、このネット遊具、子供だけのものじゃなくて、一家にひとつあったらいいんじゃないの?と思ったんですよね。新しい家を建てる時に、吹き抜けに取り付けてもらったらどうですかね。本を読んだり、ただ寝転んでみたり、できるじゃないですか。生活が楽しくなりそう。遊具というと、子供向けって狭まるけど、これは大人も楽しくなるものだから、そういう風にアピールしたらいいと思います。天窓を開けたり、ロフト部分が空になっているとか、

橋本:ご提案ありがとうございます! 実は以前にも、個人宅につけたいというお客様がいらして、とりつけさせていただいたことがあります。

菊澤:それはいいですね! この遊具は、見た時の感覚と寝たときの間隔は大きく違いですよね。だから、もっともっと活躍していただきたいです!一般家庭に普及したいのであれば、コストをもう少し考えていただいたりとか……、インテリアに合う色のバリエーションを考えてほしいですね。ベージュや生成りがあったらいいかなあ。

守山:上に相談しておきます!

一同(笑)

橋本:またご要望があれば、メンテナンスの時にお伺いしますので、言ってくださいね。

菊澤:そうね、また美味しいランチご馳走しますよ。そうしましょう!

──本日は、楽しいお話を聞かせていただき、ありがとうございました!