お客様の声

Voice.07 神奈川県川崎市

株式会社リビングライフ様

ファミリー層に響く「遊具」が新たな付加価値を生み出す!

チャレンジによって生まれたマンションの差別化戦略とは。

岡部遊具お客様の声 リビングライフ様

2021年2月に川崎市に誕生した、新築マンションとリノベーションの一体開発「クジライフプロジェクト」。開発・販売元の株式会社リビングライフ様より、敷地内の共用施設として企画されたアスレチックをご依頼いただき、(株)岡部が遊具設計から制作・施工まで一貫して担当しました。マンションに大型のアスレチック施設を設置したきっかけ、事業にどのような効果をもたらしたのか? 建設担当の荒川様とマーケティング担当の宮本様に、(株)岡部東京支店の小野と正野がお話をうかがいました。

社長も驚くほど立派なアスレチックが完成
お披露目イベントも大盛り上がり!

荒川:考えていたより立派なアスレチックが完成しました。特に社長がとても気に入って、全社員でアスレチックを体感するようにと指示が出されたくらいです(笑)。

宮本:ここまですごいものが出来たなら盛大にやろうと、町内会長さんなど地域の方や携わっていただいた方を招待して、「アスレチック完成披露会」を開催しました。 集客の面でも敷地内全体を体感していただくスタンプラリーイベントを行いましたが、こちらもかなり好評で、すごいアスレチックを作っていただいたなと改めて実感しました。コロナ禍ということもあり予約制となりましたが、予約枠は全て埋まり、親子連れを中心に80組ほどの方にご参加いただきました。帰りたくないと駄々をこねるお子さんも中にはいらっしゃいました。

荒川:インスタグラムやチラシで告知を行い、ネットで予約を受け付けましたが、すぐにいっぱいになりました。

宮本:1回目の反響が大きくて、お客様に大変喜んでいただけたので、同じイベントを2回、3回と行いました。じつは今月も開催の予定です(笑)。営業からもアスレチックを活用したイベントのリクエストが来るようになりました。

──ご利用される入居者様の皆様の反応はいかがですが?

宮本:お子さんがのびのび遊んでいて楽しそうだというお声をいただいています。親御さんからは、目の届く範囲でお子さんが遊べるのが安心だというご意見もあります。敷地内に公園以上のものがある、という感じでしょうか。

荒川:セキュリティがかかっているので、周りが全て顔見知りなのも安心だと思います。

すべり台のから始まった遊具のアイディアが
大人も楽しめる大きなアスレチック施設へと発展

──マンションの敷地内に公園施設(アスレチック&テラス)を作ることになった経緯・目的を教えてください。

荒川:販売の始まる2020年がちょうど弊社の創業30周年という節目の年にあたるということもあり、隣接する新築マンションとリノベーションマンションを1つの街として開発するという大々的なプロジェクトに取り組むことになりました。

新築は共用部のスペースを取りやすいですが、リノベーションマンションは新たに建てるのと違い確保が難しく、どうしようかと悩んでいた時に、使われていない斜面と森が目に入って、共用施設として活用できないかと考えました。

森になっている斜面には上と下にリノベーション棟が建っているのですが、当初はそれを繋ぐ短縮ルートとして階段で道が作れたらいいな、くらいに考えていたんです。その際に、大人は階段で充分だけれど、お子さんがすべり台を滑って降りられたら楽しいかな、と思ったのが最初のきっかけでした。
そこから、せっかくならすべり台だけでなく遊具をいくつか設置したらどうかということになり、どんどん発展していって気づけばここまでのアスレチックになっていました(笑)。

──依頼した内容(コンセプト)はどのようなものですか? 遊具の具体的なイメージや希望などはありましたか?

荒川:斜面という地形を活かして、すべり台やネット遊具を作って欲しいとお願いしました。

小野:元々ネットを使用する計画を盛り込んでいましたが、大人も登って寝そべることができるほど広々としたネットを入れたいという要望が追加され、遊具と一緒にネットの使用もどんどん広がっていきました(笑)。

荒川:遊具ってお子さんのためのものというイメージがありますが、ハンモックみたいに使えたら、大人の方にも楽しんでもらえるのではないかと思いました。

小野:ネット遊具に寝そべると、マンション越しに武蔵野台地が見えてとても気持ちがいいんです。この絶景は斜面地ならではだと思いました。

子育て世帯に大好評!アスレチックという付加価値により
近隣と差別化された魅力的なマンションに

──遊具を設置したことで、事業面で何か変化はありましたか?

宮本:マンションの販売価格は、アスレチックを設置することで多少なりとも上がってしまうのが現実。当初、営業担当からは「アスレチックがあるからといってマンションが売れるのか?」という懐疑的な意見もありました。
しかし、完成予想図のパースをHP等に公開した月から、前月と比較して2倍近くにお問い合わせが増えたことで確かな手応えを感じ、社内のアスレチックに対する見方も、お客様の反響を目の当たりにして徐々に変化していきました。
南武線沿いは今、マンションがどんどん建設されています。他の物件は駅の近くだったり商業施設が近くにあったりと利便性が売りになっていますが、このマンションは駅から離れている分、何らかの付加価値が必要でした。
そこでターゲット層にマッチした利便性以外の付加価値として敷地内にアスレチックを設置したことで、お客様に魅力を感じてもらうことが出来、販売に繋がっています。2,000~3,000人が住む規模ならまだしも、206戸という規模でここまでの施設を備えたマンションは他にはないと思います。

荒川:このプロジェクトで「2022キッズデザイン賞」と「日本子育て支援大賞2022」を受賞し、さらに川崎市多摩区では初の「子育てにやさしい住まいと環境認定」を受けました。このアスレチックがあるという環境が、ターゲット層とするプレファミリー、子育てファミリーに響いて、選んでいただけるマンションになったことは間違いありません。
販売価格としてはどうしても高めになってしまうため、事業性についてはこれから検証していく必要がありますが、企業全体として得られたメリットは非常に大きいものがあったと実感しています。

急な斜面の遊具をいかに安全にするか
困難を極めた設計と建設

──岡部について、どこで知りましたか。ほかにも検討した会社はあったか、最終的に岡部に発注を決めた理由もお教えください。

荒川:ネット遊具を取り入れたかったので、インターネットで調べてお電話させていただきました。新築マンションには室内遊具も入っていて、その依頼先も候補でしたが、斜面地の工事に対する知識、提案力などを検討した上で、様々な実績をお持ちの岡部さんにお任せすることに決めました。

──遊具製作過程で印象に残っていること、エピソードなどがあれば教えてください。

荒川:打ち合わせをするたび、「斜面地を活かして欲しい」というオーダーがどれだけ難しいことであるかを痛感しました。階段から遊具へどうやって繋げるか、遊具の基礎はどこにどれだけの大きさのものを作るか、デッキテラスへはどうやって上がっていくかなど、数えきれないほどの難題がありました。
現場の職人さんたちも本当に大変だったと思います。完成した時に職人さんたちがこの施設を見上げて、「よくやったなあ」と話しているのがとても印象的でした。

小野:斜面地はどうしても遊具のおさまりが悪くなるし、基礎の露出など留意する点も多くなってしまいます。斜度が30度くらいと聞いたときは、正野と「できるかな」と顔を見合わせたことを覚えています。30度ってスキー場の難コースくらいの斜度がありますから(笑)。

正野:設計と施工は安全面には特に気を遣いました。転落防止のための柵の高さは通常でしたら1,100cm~1,200cmで充分なのですが、今回はかなり高めに設定しています。柱1本で支えている箇所もあるので構造検討も念を入れて行いました。さらにすべり台の着地点には怪我や事故防止のためクッション材を敷いています。
弊社としても、今回30度という斜度の遊具建設を行なったことでノウハウを蓄積することができ、さらに自信が持てるようになりました。斜面遊具の提案する時には、必ず成功例として提案書にクジライフプロジェクト様の写真を入れさせていただいています。

岡部だからできる、既製品にはない唯一無二の遊具作りを

──今後、遊具メーカー岡部に対して期待すること、ご希望などがあれば教えてください。

荒川:決められた場所や空間に合わせて最適で安全な遊具を建設するには、かなりの技術と経験が必要だということを、今回の依頼で実感しました。斜面地に遊具を建設する、それだけでも相当大変なことだったと思いますし、岡部さんでなければここまでのアスレチックを作ることは叶わなかったと思います。

岡部さんにはこれからも、一見難しそうだなと思う依頼でもどんどんチャレンジしてもらって、岡部さんだからこそできる遊具を作っていただきたいと思います。
今後も、居住者の皆さんからこうして欲しいという要望があればぜひ相談にのってもらいたいですし、私たちでは思いつかないような斬新なご提案をいただけたら嬉しいですね。
メンテナンスの面でも、きめ細かい配慮をいただき心強いです。居住者の皆さんがこれからも安全に、安心して遊べるように、引き続きよろしくお願いします。