来場者が何度も繰り返し遊びたくなる テーマパークの遊具に求められる「こだわり」とは。

三重県津市にある「おやつタウン」は、子どもから大人まで愛される“ベビースターラーメン”のテーマパーク。2022年7月のリニューアルで設置した大型遊具『超ドデカイジャングルジム』の設計から制作・施工までを岡部が一貫して担当しました。株式会社おやつタウン取締役本部長の君塚様、広報担当の松本様に、遊具のコンセプトや設置後の反響についてうかがいながら、担当した(株)岡部東京支店の小野と正野が遊具制作にあたってのエピソードなどを一緒にお話しさせていただきました。

インパクトにこだわった超大型ジャングルジム

──出来上がった遊具を初めてご覧になった時の印象はいかがでしたか?

君塚:まずは「デカい!」、ですよね。この「超ドデカイ」が遊具のキーワードになっていますから。
それと、遊具のフォルムに曲線が使われているところが優美で、なんて素敵なんだろうと思いました。ジャングルジムは鉄骨で普通なら直線的なものだと思いますが、見たことのない形がファンタジックでとても綺麗だなと感じましたね。

松本:私は実際に遊ばせてもらったんですが、大人でも、すごく楽しめます。柱の間がすべてネットになっていて、けっこう遊ぶのに体力を使うんですよ。一番高いところで9mとビルの4〜5Fぐらいの高さがあるので、そこまで登るとまわりがすべて見渡せるんです。もちろん、子どもでも一番上までいけるようになっています。

──ご利用者様からの反応はいかがですか?

君塚:ご利用者様を見ていて圧倒的に多いのは、お子さんの写真をたくさん撮っている親御さんです。いわゆる「映える」写真が撮れるので、SNSに投稿してくださって、その拡散の効果はすごく大きいですね。
定期的にゲストのアンケート調査を行っているのですが、満足度で「想像以上に楽しかった」「想像通り楽しかった」という意見があわせて80%を超えています。

松本:小学生はもちろん上まで登って遊んでいるんですが、未就学児や小さなお子様も1Fのところでハイハイして遊んでいて、お父さんお母さんが写真に撮っているのを見かけますね。本当に小さい子から小学校高学年、もっと上の大人まで遊べるので、みなさん楽しんで遊んでくださっていますね。

君塚:そこは想定した通りで、嬉しいですね。

松本:ジャングルジムで遊んでいる時間はアンケート結果では平均で15分〜30分ぐらいですが、これは平均なので、中には60分以上遊んでいるお子さんもいます。また、他に行ってまた戻って遊ぶというように、何度も遊ぶ方も多いようです。
開演前から並んで、入場すると、まずはこのジャングルジムかアスレチックに行く、という方が多いですね。
施設全体の滞留時間でも、リニューアル前よりも1時間延びていて、かなり長くなっています。

自分のペースで自由に遊べる遊具は
年齢問わず何度でもリピートしたくなる

──「超ドデカイ」を遊具のコンセプトにした理由、きっかけは何ですか?

君塚:ジャングルジムのできたエリアには、もともとアスレチックとスライダーがメインの遊具としてあります。その2つの特徴が「超ドデカイ」ということ。アスレチックは出来た当時で屋内型として国内最大級と言われていましたし、「ほしおくんスライダー」も、高さが9mあります。
「ドデカイ」が2つあって、さらにもう一つ「デカイ遊具」が欲しいということになりました。
もともと「ドデカイ」をコンセプトにする最初のきっかけは、「たっぷり遊んで体を動かして、お腹をすかして、おやつに向かう」という施設全体のテーマ。
体を思いっきり使って楽しく遊ぶための遊具をつくるのに、せっかくならインパクトのあるものを、ということになり、一番わかりやすい「大きさ」がコンセプトになりました。

松本:お子様からしたら、たぶん相当驚きのある大きさです。普段は公園の滑り台などで遊んでいるお子さんたちからすると、すごく大きく感じるんじゃないかなと思います。